Feel Physics Backyard

HoloLensの出張授業をする会社で、教材を開発しています

物理的にボタンを押すIoT、Prota Pushが来た!が…導入解説

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ボタンを物理的に押すIoT、Prota Pushが来ました。しかし、最初のアクティベーションに1日かかりました。風呂の自動化は実現できたのですが、大変な作業でした。セットアップのすべてを写真付きで解説します。

実はTwitterリツイートしていただきました。

なんと50リツイート。ありがとうございました!

開封

まずはドキドキ、開封です。しかしスタートアップの製品って何でいつもオシャレなパッケージングをしているんでしょうかね。

概観

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送られてきたケース。

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開くとボタンを押す「MicroBot Push」が3つ入っているのが見えます。

MicroBot Push

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Pushの箱。上面は…なんだかよくわかりませんね(追記:いちおう、この丸いところを押すとボタンを押したことになります)。

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側面。ボタンを押す機械だということがよくわかります。

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開けるとこんな感じ。左側がPush本体、右側はスペーサーです。

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Pushとスペーサーを取り出しました。

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Pushの裏面にはスイッチとマイクロUSB端子アダプタがあります。メーカーによると1日1プッシュで1年もつそうです。

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箱の奥にまだ何か…なんと、USB端子ーマイクロUSB端子変換アダプタです。ということはこれ、3つ入っているの?なんじゃそりゃ!

充電を始めると青い光と赤い光が交互に点滅しています。半分くらい充電されている、ということなんでしょうか。(追記:1日充電しても同じでした。充電状況はアプリで確認することができるので安心です。)

改めて右の説明書を見ますが、わかりやすいようでわかりにくい。(自分で言うのも何ですが)こういう機器は大得意な私が言うのだから間違いありません。Hueのブリッジを取り替えるときも大変でした。電球を新しいブリッジに接続し直すのに、わざわざソケットから外してシリアル番号を確認しなければならないとは!普通の人じゃ絶対わからんぞ、Philips!すいません、余談でした。

とにかくベースとなるProta Sを先に設定した方が良さそうです。

Prota S

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Prota S(Server?baSe?Set-top Box?)は箱の底に入っていました。

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ご対面

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薄い!

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…?

  • 64ビットクアッドコアCPU
  • 1 x マイクロHDMI
  • Input 5V 2A(電源アダプタは付属しません)

CPU?HDMI?これらは何に使うんだ?(あとで少しわかります)それと電源アダプタは付属しませんって、どうなの?

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箱の底から申し訳なさそうにUSBケーブルが出てきました。何本目?うーん、まあうちにはLittleBits用の5V2Aのアダプタがあるから良いけど、普通の人はどうなんでしょうね。タブレットとか持っていればありそうですけど。

セットアップ

先行者のアドバイ

次の2つのサイトを見ておくと、これからの作業がやりやすいでしょう。

prota.info

これを見るとだいたい何ができるのか、どういう仕組みなのかわかった…つもりになります。見ておいた方が良いと思います😅

Prota

貴重な日本語説明書です。付いてくる説明書は説明書ではありません!こちらは必ず読んでおいた方が良いと思います。ちなみにPCで見るときはドラッグしてページをめくります。

アクティベーションその1

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とにかくアプリをダウンロードします。

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アプリのホーム画面、使用可能なプロタ機器一覧には何もなし。

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「+」を押すとこんな画面が。

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LED?光ってませんよWifiにもProta Sの様子がまったく見えません。

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ここでハッと気づきました。ひょっとして電源供給用の端子ではなく外部接続用の端子に電源を接続してしまっている?…その通りでした。うううう、我ながらうかつ!なんてことだ!

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つなぎ替えるとProta Sが光り始めました!やった!…しかし赤と青の交互ではなく青のみ

アクティベーションその2

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あれこれ試すもダメで、しかたなくドキュメントを読むとこのページが。うーん、これは説明書に書くべき項目なのでは…説明書を簡略化しすぎじゃない?

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しばらく経つと赤と青で点滅するようになりました。ふー。

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WifiにもProta Sが出てきました。いやー、じつはProta pushを使って風呂を沸かそうと考えているのですが、今日中に間に合うかな…(追記:ぜんぜん無理でした)

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アプリにバッチリProta Sが見えています。逆に言うとまだそこまでしかできていません。がんばれ、俺。

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Wifiのパスワードを入力すると…

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けっこう待たされまして、Prota SのLEDが赤と青の点滅から青と緑の点滅に変わります。

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そしてまた待たされまして、

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まだ続くのか!メールアドレスを入力します。

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確認メールが来ました!これで終わりか?終わったのか?

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メールが来ました。さっそくアクティベーション

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8時間このまんま(寝ました)…DMZとかはしていないんですが…

アクティベーションその3

もうダメだ、サポートに投げようと思ってサポートを開いて見るとセットアップ動画があります。見てみるとアクティベーションのメールをスマホから送信しています。え、これか?これなのか?スマホからメールしないとダメなのか?

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おお、行った…行ったよ…

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使用契約に同意します。

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言語を選びます。

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タイムゾーンを設定します。

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Pratoに名前を付けます。

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アクティベーションが完了しました。今度はアップデートが始まります。

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アップデート完了。ふー。長かった。だけど道半ば。頑張らねば。

Pushを接続

Protaアプリを開きます。

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「アクセスリンク」がメールで届いているはずだから、それを使え?なんでこんなに面倒くさいんだ…(追記:アクセスリンクは、友人にもこのProta Sを使う権限を与えるためのもののようです)

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これか。

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なかなか接続しなかったのですが…おおっ、接続できました!

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「アップデートがある」…しかたなく下の「Reboot」を選択。

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メニューから「MicroBot Push」を選びます。

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スキャンしますがうまくいかず。

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そういえば底面にスイッチがあったなと思い、ペン先で「OFF」を「ON」に。

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そしてリトライ。何回も失敗するが最後に成功。スキャン中にボタンを押したのが良かったのかな?

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おっ、動いています!

youtu.be

Pushを運用

設置・試運転

見ての通り「お風呂の電源ボタン」「お風呂沸かしスタート」のボタンをMicroBot Pushに押させる計画です。なお、これらのボタンはリビングにあるので水の危険などはありません。

まずは手で固定してみます。

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お、いい感じですね。次に付属の両面テープでPushを固定してみます。ここからが後には退けない分水嶺

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うーむ、下のパネルが開くのを手で押さえなければなりません。急遽ガムテープでふさいでみました。

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おお、動いている。くうう、これまでの道のりが長かっただけに感動もひとしお。あとはもう一つのMicroBotを湯沸かしボタンに取り付けば良いのですが…

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「スキャーン中」という違和感のある日本語が表示されるだけで認識してくれません。そこで再び「スキャーン中」にボタンを押してみると、これがうまく認識されました。

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しかしこれでは何のボタンかサッパリわかりませんね。名前とか付けられるのかな…と思いつつ右上の「詳細」ボタンをポチッと。

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おー、変えることができますね。ではわかりやすい名前に変えて…こんな感じですかね。

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で、設置する、と。もはや何のボタンだかわかりませんね。時間を見つけてシールでも貼るか…

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燃焼試験

ではちゃんと動くかやってみましょう!5、4、3,2,1,エンジン点火!

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社長ぉぉぉーーー、ついにやりました!これなら帝国重工も文句は…(ちなみにインターネット越しでもちゃんと動きました)

おわりに

Protaアプリ、Protaストーリー

アクティベーションに散々苦労したProta Sですが、単なるPushの母艦だけではなく、様々なアプリを入れることができます。

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また、IFTTTのような条件分岐式を作ることができます。

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かなり壮大な野望を持っていることがわかります。うーん、どうかな?MVPは小さくまとめた方がいいんじゃないかな?(わからない方はググってください)

リンク

サポート掲示板です。わからないときにキーワードを入力すると何か見つかるかもしれません。ただし、英語と韓国語がほとんどです。

探しているとこんなものもありました。Rasberry PiにProta OSを入れてセットアップしています。

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こちらはアドホックモード?底が深そうです。

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総評

率直に申し上げて、難易度高すぎではないですかね、Protaを開発したNaran社の方々。Slackwareをインストールしているような気分でした(わからない方々はスルーで)。いくつか挙げさせて頂きます。

  1. どちらが給電用マイクロUSBポートなのか天板にアイコンだけでもいいから書いて欲しい。「薄さと美しさ」を追究しているのは別に文句はないが、障害の原因になるのならやめて欲しい。
  2. シンプルな説明書を目指すのは基本的に良いことだと思うが、「Prota Sのアクティベーションには5〜10分の充電時間が必要」ということを明記して欲しい。
  3. 前記に同じく説明書について、「アクティベーションのためのメールをスマホから送らなければならない」ということを明記して欲しい。
  4. 前記に同じく説明書について、Microbot Pushの接続の仕方は「スキャーン(しつこい)中にスイッチを押す」で良いようだが、明記して欲しい。

まあしかし、KickStarterでリフトオンしたばかりのスタートアップ企業はこういうもの、かもしれませんね。それも含めて成長を見守るのがBackerとしての楽しみかもしれません。今は難有りなセットアップのインターフェースも、この企業の成長とともに、いずれ洗練されていくでしょう。ちなみに、この記事を書いている間にもアップデートが来ました。12月上旬のもののようですが。

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おー、いいですねー。親しみやすいデザイン。ちなみに右上隅の鎖のマークをタップするとアクセスキーを自分や友人に送ることができます。かみさんのiPhoneにどうやってインストールするかわからなかったのですが、これはヒントになりそうです。

購入した皆さんにとって私の記事が参考になれば幸いです。ちなみにお風呂の自動化は「栓が抜けているか閉じているか」を目視で確認しなければならないという盲点に気づいたのは私の嫁でした…😩