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「Feel Physics」という物理教育アプリの開発・出前授業をしている会社で、アプリを開発しています

HoloLensアプリを展示会に出し、良い体験をしてもらうためにできる15の事項

2017年8月6日:昨日今日とMaker Faire TokyoでHoloLensアプリを展示しました。いろいろと気づきがあったので、本記事の先頭に6項目、加筆します。

2017年7月15日:ミートアップでデモを行い、加筆しました。ボードUSBケーブルについてです

今日、HoloLensを展示会(大阪メイカーズバザール)に展示してみて、準備や展示中の注意事項がいろいろあることに気づかされましたので、ここで共有したいと思います。

当日前にできること

1 準備する

3m USBケーブル

大変快適です。

装着用の帽子

できればメッシュで汗の付かなそうなもの

できれば大きな画面

ギャラリーのためのライブプレビュー用に

操作方法の説明の図

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注意事項を付記すると良い。

2 アプリのUXを改善する

操作者を安心させる

タップ、ホールド、ドラッグ、完了、シーン遷移すべてに操作音を付けます。ドラッグなどはInvokeで遅らせてloopをtrueにして「今はドラッグ中です」ということがわかるようにします。

例えば、タップしたら画面に「tap」と表示し、操作音を鳴らします。ホールドしたら画面に「hold」と表示し、操作音を鳴らします。操作者は安心します。ゲームでは当たり前ですが…

小さいものを見せるとき

(0,10,20)くらいの暗い大きなplaneでUnity上のHoloLensを囲みます。体験者がHoloLensを装着したら「スクリーンが見えますか?」と聞くことができます。体験者がHoloLensを良いポジションで装着できたか、簡単に確認できます。この方法は大変便利でした。

方向指示

人によっては視線が安定せずに操作対象をすぐに見失ってしまいます。画面の外に出た時に方向指示が表示されるのが望ましいです。

会場の明るさ

今回は1日目、展示場所が予想以上に明るく、一部の暗いコンテンツが見えなくなってしまいました。翌日は全体的に明るくした結果、見えるようになりました。現場の光量に応じてコンテンツの明るさを変えられるようにしておくと良いです。

当日のこと

3 良い位置に装着する

装着で気をつけること

帽子があると本当にラクです。HoloLensのリングバンドが引っかかり、いい感じにHoloLensを支えてくれます。また、顔の小さい子どもや女性は帽子が必要です。

いきなりHoloLensを着けると、興奮したり緊張したりしてしまう方がどうしてもおられます。操作方法のレクチャーは装着「前」に行い、かなり丁寧に説明し、心構えを持ってもらうのが良いです。

装着手順

  1. まずネジをゆるめてリングを広げます
  2. バイザーをめいっぱい引き延ばします
  3. 帽子を後ろ向きにかぶってもらいます
  4. 帽子の淵に沿うようにHoloLensを頭の上から降ろします
  5. バンドをややきつめに締めます
  6. 正面から見てHoloLensが斜めになっていないか確認します
  7. バイザーを押し込んで鼻に密着させます

4 丁寧に説明する

操作方法の説明は重要です。HoloLensの体験の1/3はここで決まると思います。

タップ

  • 人差し指は垂直に立てないとHoloLensから見えません
  • ゆっくりとした動作では認識されません
  • 人差し指以外の指も上がってしまうとダメです

さらに操作中の誘導で1/3が決まると思います(後述)。

本当はそんなことをしなくても良いアプリであることが望ましいですが…

5 視点をコントロールする

HoloLensは視野が狭いので、中村さんの「遠景→1歩前進→操作→1歩後退→シーン遷移→遠景」(以後繰り返し)のサイクルが本当に重要です。

面倒ですがいちいちこれをきちっとやることで体験が大きく改善されます。

6 その他

バッテリーの消費を計画する

USBポート(1A)につなぎっぱなしで、5時間で100%使い切りました。1時間半充電しましたが50%しか回復しませんでした。

長時間の展示の際は、あらかじめ充電する時間帯を計画しておくと良いです。例えば客の減る昼食時に充電するとして、10:00-12:00稼働、1時間充電、13:00-18:00稼働、という感じです。

客寄せ

HoloLensを頭の上に乗せておくと、目立って良いです。

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以上、2017年8月6日追加分でした。以下は元の記事です。

準備

以下の5つのものを用意すると良いと思います。

1. アイキャッチなボード

私は、以下のようなA1のパネルを用意しました(右下にちょこっと写っています)。

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全体はこんな感じです:

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このようなものを用意しておくと、展示中はパネルをのぞき込んできた方に「体験やってまーす」と言うだけでOKなので断然ラクですし、声をかけやすいので集客にもなります。ちなみにSweet Electronicsの小野さんのアイデアをいただきました。

パネルの枠はシェアオフィスのものを使わせていただきました。A1の印刷費は3000円でした。

まあでも百均で売っているA4のイーゼルでもぜんぜんOKだと思います。カバンに入るのが良いポイントです。あるとラクです。

2017年7月15日に加筆:

HoloLensミートアップ東京でA4のイーゼルを使ってみたところ、何もこちらから言わなくても通りがかりの方々が「体験したい」と声をかけてきていただいて大変ラクでした。A4ならカバンに入るのでオススメです。

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2. 長いのUSBケーブル

これは今回用意しなかったのですが、必要だと感じました。

私のHoloLensは10時から展示を始めて1時半にはバッテリーが切れてしまいました。しばらく充電しようと考えたのですが、1時間待っても数%しか充電されません。給電しながらだと、(1回OSが落ちましたが)大丈夫のようです。

また、Device Portalのライブビューも、こういう大人数の方が入られるイベント会場では良くあることなのですが、Wi-Fi輻輳して全然つながりません。USBでつないでローカルポートにアクセスするのが良いと思います。補足:DevicePortalのMixed Reality Captureは有線接続してEdgeでみるのが1番安定してるようです。Chromeだとちょいちょい止まるそうです。

結論としては、HoloLensはUSBケーブルをつなげたまま展示するしかないと思います。

補足:中村さんからアドバイスを頂きました。HoloLensは2.4Aの電源から充電する仕様なので、PCではなくてコンセントから直接取るのが良いそうです。 ACからの充電で使ってないときは充電して置くと、だいたい一日の展示会くらいは電池もつそうです。ただし、フル稼働していると厳しいかもしれないそうです。Maker Faire Tokyoはフル稼働しそう…

加筆:HoloLensミートアップ東京で3mのUSBケーブルを試しました。PCとつないで30分近くデモをしましたが一度も切れることなくライブプレビューを続けることができました。ライブプレビューが見ることができると展示者としては安心ですね。

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3. 「MRとは」という説明ポスター

これも今回用意しなかったのですが、あっちこっちで同じ説明をすることになるので、1枚絵に少ない文字量で説明するポスターを貼っておいて来客に見てもらうのが良いと感じました。これは宮浦さんのアイデアです。宮浦さんは「エアタップのしかた」という1枚絵のポスターを用意されていましたが、会場で「そもそもMRとは?というポスターが必要だよね」という意見で一致しました。

4. ヘッドバンド

ヘッドバンドは子どもの頭にHoloLensを装着するのに必要です(なお、HoloLensは13歳以上のみ着用可とMicrosoftが定めています。前述したボードに書いておくと良いと思います。ただ、何も見せずに帰ってもらうのも辛いところなので、「こんな感じのものが見れます」と言って用意しておいた動画を見せるのが良いかなと思います)。私はなくて往生しました。

ヘッドバンドがなくて、どうしてもズレるときは子どもさんに両手でHoloLens持ってもらい、いちばん見えるところを探して調整してもらいました。私の場合は「キャリブレーション」アプリの最初の青いコーナーが四隅に表示されるのを見せて、子どもさんに調整してもらいました。

展示会の場合はあらかじめ展示するアプリの中にHoloLensの視界の枠をUnityで作っておいて、それを見て調節してもらうのが良いかもしれません。

補足:HoloLensのスクリーンは目に対して下めについてるので、浮かしてつけるとよいそうです。私も目の位置は光学ガラスの上から3分の1当たりかなと感じました。

補足:ヘッドバンドの代わりにキャップのつばを後ろ向きにしてかぶるのは、ずり落ちてこないので大変装着しやすいです。

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5. 瞳孔間距離

バイスポータルでデフォルトIPD(目と目の間の幅)を61㎜くらいにしておくといいかも。子供はあまり推奨しませんが、子供の時のIPDの概算を知っておいて設定するといいかもしれませんね。ずれているとかなり見づらいことがあります。自分のデバイスを渡していると忘れがちです。こんなアプリがあります:

play.google.com

IPDはUSでKinectで測るもの

github.com

も使えます。友人の女性は59前後が多かったので女性が多ければちょっとだけ値を小さくしても良さそうです…とのことです!

6. HoloLensのスリープ設定

補足です:スリープ時間がデフォルトで2,3分なので変えてあげないと台に置くたびにスリープします。復帰すると座標系がずれたり空間がドリフトしたりするので、スリープさせないのがオススメです。

HoloLensのスリープ設定はDevice PortalのHomeの一番下で変更できます。最大30分に設定できます。

7. 周囲の環境

  • 白一色の会議室のような場所だと、HoloLensが向きを把握できない
  • ガラス面、曇りガラスで認識が不安定になる
  • 黒い床、鏡も要注意

8. アンケート

アジャイルに開発する際、アンケートは、展示するプロダクトの良い点・悪い点を明らかにするために実施します。枚数ですが、時間数×10×展示数ぐらいが良いと思います。1人のメンバーが1時間で10人に対応するという想定です。

質問項目は私は1つにしています。要改善項目をちゃんと拾えるよう、厳しめに問いを設定します。私は以下のようにしています。

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「このプロダクトを友人や同僚に勧める可能性はどれくらいありますか?(まるで囲んで下さい)0  1  2  3  4  5  6  7  8  9  10。そのスコアをつけた主な理由は何ですか?」(いわゆるNPS。ちなみにこの問にしておくと、どんなプロダクトのときも同じアンケート用紙を印刷すれば良いのでラクです)としています。

そして、体験が終わったところで「一言でいいのでアンケートをお願いします」とお願いして、スコアと感想を書いてもらいます。こうすると厳しいところをちゃんと書いてくれます。

9. あればいいかな?

  • アルコールのウェットティッシュ(揮発性のもの。普通のウェットティッシュだと汗と間違われることがあります)
  • ガラスクリーニングクロス:毎回拭かないとかなり手あかがつきそこで乱反射が起きることが多い
  • 小学生用の動画(前述)

AR

あと、HoloLensでARをやるときの問題点もいくつか判明しました。

まず、表示物が大きいと部分的にしか見えなくて体験が悪くなります。アプリの内容にもよりますが、なるべく全体像が把握しやすいように作るのが良さそうです。補足:アドバイスを頂きました。まず遠くに出して全体を見せる、そのあとで自分で局所を見るようにつくるのが良いとのことです。確かに。実践してみます。

次に、今回はHoloLensから1mのところにターゲットを表示してスマホでARマーカーを表示し私が動かしたのですが、展示者が自分でマーカーを持って動かした方が体験が良いことがアンケートからわかりました。その場でコードを直しましたが、80cmくらいが良いようです。

それにしても…ARはとにかく体験が悪いです。見えにくいですし(マーカー画像を工夫した方が良さそうです)、私は装着者がマーカーを認識できたら音が鳴るように設定していたのですが、この音も評判が悪かったです。HoloLensの良さはとにかく体験が良いことだと思うので、なんとしてもこの辺は改善したいところです。

あとは、ARを見せる前に上田さんオススメのHoloHeartを見せて「HoloLensとはこういうもの」というのを体験させておくのも良いかなと思いました。

いかがでしたでしょうか。展示はたくさんフィードバックが返ってくるので、ぜひ皆さんも出展してみて下さい。

謝辞

貴重な機会を頂いた大阪駆動開発 - connpassの皆さまと初稿の改善点を教えて下さった伊藤さん、全体的にアドバイスを頂いた中村さん、高橋さん、その他の方々、ありがとうございました。

加筆:写真をご提供下さった林さん、田中さん、ありがとうございました!