Feel Physics Backyard

HoloLensの出張授業をする会社で、教材を開発しています

リーン・スタートアップ方式でプロトタイプのユーザーテスト

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作りはじめたサービスを3人の方々にテストしていただきました。その過程をまとめた記事です。結果は私の「思い込み」が露呈して大変でした・・・リーン・スタートアップ方式開発の始め方の参考になれば幸いです。

ちなみにリーン方式の中では「ソリューション・インタビュー」と呼ばれています。

はじめに

私は歴史を勉強するのが大好きです。そこで「ポップアップ・ドキュメント」(自称)をつくり、マンガ「ベルばら」を読みながら世界史の勉強ができるページを、少しだけ作りました。

www.weed-7777.me

そして、このページは課題を解決するか、3人の方々に見ていただいてチャットもしながらアンケートに答えていただきました。

以下では、調査の方法と結果・考察を述べます。

方法1 提案技術のデモ

Web上に長いアンケートフォームを用意し、3人の協力者の方々に取り組んでもらいました。冒頭に世界史の設問があります。世界史のフランス革命に関するコンテンツを2種類用意しました。

設問は「フランス革命によって倒された体制はどのようなものでしょう?」です。

'

結果1

テストをしてわかったことですが、3人の協力者の方々の学習スタイルはみごとに三者三様でした。これが最大の発見でした。以下ではわかりやすいように次のように呼ばせて頂きたいと思います。

なお、ポップアップ・ドキュメントの使い方は短時間で理解して頂けました。

方法2 課題を解決するか?

は5つの課題に取り組んでいます

これら5つの課題それぞれについて、以下の事柄をしていただきました。

結果2

重みづけ

提案技術の有効性

また、があれば出して頂きました。

結果は、が目立って強いのはぐらい、でした😩

方法3 先行製品に対して優位か?

AppleApp Storeで「世界史」で検索すると30個以上ヒットしました。 完全にレッドオーシャンです。 これを踏まえ、協力者の方々の勉強スタイルを伺いました。

結果3

  • 小テストができるようにすればの評価は上がるかもしれません。
  • のを改善すれば、の評価は上がるかもしれません。

  • 自分でポップアップを追加できると、の評価は上がるかもしれません。

まあ、なかなか茨の道のようです😩

考察

1対1インタビューをサボってはいけない理由(反省)

協力者の方々からは「このアンケートでは、どういう状況を想定しているのかよくわからない」というコメントを頂きました。なぜなら、人によって立場・方法・好み・ゴールが違うからです。これを私は見落とした。なぜか?

これはひとえに、私が「課題の発見」というステップを飛ばしてしまったためです。

課題の発見

先に1対1で以下のようなことを聞くべきでした。

  • どんな勉強の仕方をしていたか
  • 何が課題だったか
  • どういうスタイルで勉強していたのか
  • 参考書をどのように選ぶか
  • それで成果はあったのか
  • それはなぜなのか

本人も分析できていないかもしれません。

  • 例えば、暗記が苦手人にとってはドラマが大切だが、本人にはそれがわからない

1対1で会話して掘り下げていくことによって、はじめておたがいに課題がわかる。そこから「ではどのように対処するのが良いのか?」という話に進むことができる。

このようなやりとりを通して協力者の課題をあるていど収拾してから、試作品を見せてアンケートをするべきです。

「世界史アプリ」のマーケティング

「ベルばら」を教材として使うことには、たぶん以下のように受けとめられると思います。

  • 「世界史は記憶することだから余計な事項は不要!」
  • 「受験前にベルばら読む時間なんてあるか!」

受験生をターゲットにするよりもマンガ読者をターゲットにした方が良いでしょう。

まあでも、しばらく寝かせます😅

謝辞

  • 問題だらけ・不備だらけの長時間のアンケートに協力して頂いた協力者の皆さま、本当にありがとうございました。おかげさまで、40歳になっても毎日学ぶことばかりなのはどうなんだろうと思いつつも、色々なことを学ぶことができました。前進のエネルギーをいただきました。重ねて、ありがとうございました。

追記

『Running Lean』を読み返したら以下のようなことが書かれていました。初心に返らなきゃ・・・

顧客インタビューしなければアンケートはできません。選択肢を用意できないからです。

Running Lean ―実践リーンスタートアップ (THE LEAN SERIES)

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Lean Analytics ―スタートアップのためのデータ解析と活用法 (THE LEAN SERIES)

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