布教したいけど、魅力を伝えるのが難しいHoloLens。そこで、体験会を実施しました。どのアプリを見せるか、どんな部屋が望ましいか、どう進行するか、等。これを読めばあなたも手軽に体験会を実施できますよ。
- 補足(2017年4月7日):「Young Conker」を外して「HoloGiraffe」に変えました。
- 補足(2017年4月8日):「Fragments」を外して「MyLab」に変えました。
以下のマニュアルが参考になると嬉しいです。自分の所属している会社やシェアオフィス、コワーキングスペースなどで体験会を手軽に実施してみて下さい。
私の場合
人数
8人
時間
30分ほど
結果
「すごーい」「楽しいー」「うわー」「未来だ!」などと、皆さん、とても楽しんで下さいました。
「買う!」はいませんでしたが😅
A 会場の部屋
まず、会場として使う部屋を選びましょう。選ぼうにも1カ所しかない、ということも多いと思いますが、以下のような点に注意した方が良いです。
警戒すべき点
スリガラス、ブラインド
Post from RICOH THETA. - Spherical Image - RICOH THETA
このような部屋を使いました。一面がすりガラスです。スリガラス、ブラインドは壁として検知されないため、壁に何かオブジェクトができるアプリは、見る角度を変えるとオブジェクトが消えたりすりガラスの向こうに見えたりします。
今回はすりガラスの入った部屋しか確保できなかったため、いちばん面白いアプリの一つだと思うのですが、いろんな方向から敵が現れるRoboRoidは選択から外しました。
他のアプリはすりガラスを背面にしてアプリを使ってもらうことで、ほぼ問題なく体験してもらうことができました。でももう一回り大きい部屋がいいですよね。
晴れた日の南側の部屋
Post from RICOH THETA. - Spherical Image - RICOH THETA
こういう、いい感じに広い部屋もあったのですが、明るすぎてHoloLensのグラフィックが見えません。すべてのブラインドを下ろして照明も全部消さないと無理です。でもそれは他の利用者さんに迷惑がかかるので、やめました。
次に、部屋の中をどう使うか考えます。
部屋の中の配置
テレビと立ち位置
大画面のテレビを上図のような位置に置きました。体験者と重ならなければプロジェクターでも良いと思います。しかしテレビだと、部屋の同じ側(上図では左側)にテレビを設置し、体験者にも立ってもらうことができます。こうすると観衆(上図では右側)は、投影される体験者の視野と体験者の様子が同時に見ることができて、「そこ左だよ、左」「もうちょい上」などと突っ込めるので、楽しくなります。
補足(2017年4月8日):テレビやモニターなどで着用者の視野を共有するのはとても大事です。その後何回かテレビ無しで体験会をやったこともあるのですが、周囲の楽しさが全然違います。体験会を開くときは、テレビありで視野共有することを強くお勧めします。
視野共有の方法は以下のページに載っています(必要なところだけやればOKです)。面倒くさそうですが一度設定してしまえば後はラクです。
音量
できればテレビの音だけがはっきりと聞こえるのが望ましいのですが、テレビの音を大きくすると、その音をHoloLensのマイクがひろってしまい、ハウリングしてしまいます。
いろいろ試した結果、HoloLens本体の音声ボリュームは100%にして、テレビからはハウリングしないように若干控えめに音を出すのが良いと判断しました。
PC
ライブプレビューはEdgeを使っていてもときどき止まるので(Chrome、Safariはお話になりません)、操作のためにPCは自分(主催者)がアクセスしやすい場所に置くと良いでしょう。
上図では左下の入り口付近に私が立ってPCを操作しました。
テーブル
体験者があるていど自由に歩き回ることができるように、テーブルを上図の右側に寄せました。こうすることで体験者がHoloLensで置いたオブジェクトを回り込んで背面から見たりすることができるため、観衆も「すげー」と盛り上がって、良かったです。
B 体験の流れ
装着
体験者に装着してもらうときは、
- まずHoloLensの可動バンドの位置を後頭部側にめいっぱい引き出して、ダイヤルも完全にゆるめておきます。
- また、あらかじめ「キャリブレーション」アプリの最初の青い4つのコーナー(上の画像)を表示しておきます。
- 体験者にHoloLensをかぶってもらい「4つの青いコーナーが見えるように位置を調整して下さい」と伝えます。
- 調整したら、「機体におでこをなるべく押しつけて下さい」と伝えます。ダイヤルはゆるめたままです。
- それができたら、いったん外してもらって、自分がかぶって「キャリブレーション」アプリをブルームでサスペンドします。
- そして、自分が体験者に体験してもらいたいアプリを起動します。
- そのあと、体験者に再度HoloLensをかぶってもらい、今度はダイヤルもしっかり締めます。
クリッカー
エアータップは、初めての体験者にとっては、うまくいかなくて進行が止まると思ったので、私はクリッカーを使いました。これはかなりうまくいきました。タップがらみで進行が止まることはまったくなく、操作方法の説明もほとんど要りませんでした。
C アプリの準備
スタートパネル
最終的に選んだのは以下のようなアプリです。
補足:平成29年4月8日にアプリを少し入れ替えました。上の画面は古いものです。ご了承下さい。
方針
VRでもできるようなアプリは避け、HoloLensでしかできないアプリを選びました。
その上で、見栄えの良いものや操作がわかりやすいものを選びました。
数
また、なるべく全員が違うアプリを試すことができるよう、人数分のアプリを用意しました。私の場合は参加人数が8人だったのでこれが可能でした。
人数が多い場合は「1つのアプリを2人が体験する」のようにすれば良いのではないかと思います。
MyLab
MyLab - A Mixed Reality Chemistry App for the HoloLens
周期律表です。元素を選択すると左側にボーアモデルの原子の様子が表示されます。このモデルが、電子がクルクル回っているアニメーションをしていて、面白いです。原子はドラッグして位置を変えることができます。BGMがとてもさわやかな感じです。
HoloLens HoleLens
壁を向いてタップするとそこに穴が開きます。それだけのアプリですが、いくつもどんどん開けられるので観衆がウケます。穴の向こう側をのぞくこともできて、景色が広がっています。
Holo Heart
心臓が内部が見える状態で大きく表示されます。「Beat」と言えば拍動を始めます。「Hide Instructions」と言えば説明が表示されなくなり、心臓のみになります。表示位置を動かして上からのぞいてみたりもできます。インパクトが大きく、ウケます。
Holo Anatomy
HoloLens - Holo Anatomy - A new way to learn
人体解剖図のようなアプリです。等身大の人間の骨格、血管、筋肉などが区別できるように表示されます。細かいところまで作り込まれているので、ウケます。なお、途中で先に進めるのに「Next」と発声する必要があります。
HoloGiraffe
床を見ながらタップすると、そこからニョキニョキと足が生えてきて天井をぶち抜いてキリンが出現します。別の場所をタップするとニョキニョキとテレポーテーションします。一発芸ですが楽しいです。
Holograms
基本的なアプリですが机の上のバレリーナが踊り始めるとみなウケます。それを異なる角度から自然にながめることができるのも驚きます。
Holo Magnet
すいません、これは私の作ったアプリの宣伝です。「磁石は動かせないの?」「いつかきっと…」
キャリブレーション
体験者各自がHoloLensを装着するときに使いました。使うのは最初の4つの青いコーナーだけです。
おわりに
体験してくれる方々が楽しめるよう、いろいろと工夫してみましたが、わりあいうまくいった気がします。この知見を皆さんに活用してもらえると幸いです。HoloLensはいいぞ!