ここはとある家電量販店…
ライター「このノートパソコン、とても軽いですね。私、ライターなんですけど、これなら取材帰りの電車の中で記事を書けますかね?」
お店の人「書けますよ。軽いので電車の座席で取り回すのもラクチンです。他にもイロイロできますよ」
ライター「え、どんなことができるんですか?」
お店の人「dマガジンを読んだり、Kindleの本やマンガを読んだり、メールの返信をゆったりしたキーボードで書いたり、LINEに返信したりです」
ライター「ええっ、そんなことまで?」
お店の人「さらに、軽いのでタブレットのように家の中でも職場でも外出先でも喫茶店でも、持って運ぶのがラクチンなんです。そして、大きな画面でFacebookやTwitterなどのSNSをチェックできるので、スマホをほとんど使わなくなるんですよ」
ライター「すごーい。でも、いいことばかりじゃないんでしょう?」
お店の人「そうですね。まずは電池が5時間しか持ちません。タッチバッドやWebカメラはダメですね。あとは少し重い作業をするとファンが回るので、音が気になるかもしれません」
ライター「なるほど。うーん、どうしよう。買うべきか買わぬべきか…」
お店の人「まあクセのあるノートパソコンですからね。よく考えてみて下さい」
自分で言うのも何ですが私はIT系は強い方(プログラマー)で、PCやスマホのアプリを使いこなすのが大好きです。説明書を読むのがワクワクする人間です。そんな私がこのPCを実際に2ヶ月ほぼ毎日使ってあれこれできないか試行錯誤したレビューをお届けします。
電車、喫茶店、出張、自宅で2ヶ月間、使ってみました。MacBookとの比較やキーピッチ、開発や動画編集には使えるのか、タブレット的にdマガジンやKindleの漫画は読めるのか。
以前はMacを使っていたので、その比較もします。
私は、ポメラやBluetoothキーボード+iPhoneなどのガジェット遍歴の末にこのノートパソコンにたどり着きました。
NEC vs 富士通 vs MacBook
富士通の2017年春モデルの超軽量PCには3モデルあります。しかし個人的には「超軽量」と言えるのは、そのうちの2モデルだと思います。
- Lifebook UH75/B1(店頭モデル)
- Lifebook WU2/B1(メーカー直販モデル)
これらは800gを切る超軽量を実現しています。今まで800gを切るマシンを出してきたのはNECだけでした。
NEC
タッチPC。2in1。
スペック的には、NECはタッチスクリーンがあり、ディスプレイを360度回転させてタブレットモードにすることができます。
富士通
デスクトップPC(ノートですが)
19mmキーピッチキーボードです(NECは18mm)。基本的にそれだけです。
私は、キーピッチだけで富士通を選びました。主な用途が
- メール
- 文書作成
- コーディング
だったからです。後で知りましたがMicrosoftはタブレット路線をあきらめつつあるそうで、時流に沿った選択だったのかもしれません。
なお、この記事の末尾にPC Watchのレビュー記事へのリンクを載せています。スペックなどはそちらをご参照下さい。
MacBook_
なお、AppleのMacBookという選択肢もあります。しかし、友人に持たせてもらったところ重かった(920g)のでやめました。800gは超軽量を謳う分水嶺です。
しかし_MacBook_2017年モデルは往年の打鍵感の悪さを解消し、良い仕上がりのようです。
MacBookの方がバッテリーの持ちがいい(8時間ていど。Lifebook WU2/B1は5時間)ので、今となってはどちらが良かったんだろう?とは思います。特にMacBookはモバイルバッテリーでUSB-TypeCから充電できるのはうらやましい。WU2/B1は20V/3A以上を供給可能な機器(要はACアダプタ)でないと充電できないそうです。
ただしMacBookはファンレスなためパワーがありません。動画編集を頻繁にやる私にとっては、そこはマイナス要素でした。
でもWU2/B1のカメラの画質の悪さなどを見ると、「Appleだったらこんなことはしないだろうなあ」とは思います。Appleは、良い部品をうまく組んでいると感じます。
コンセプト
今まで
職場外
私の昔の記事(恥ずかしい):
問題点
従来のガジェットだと、特に急ぎのメール返信が辛い。19mmピッチでATOKを使いたい。メールは精神的負担なので、可能な限り良い環境で書きたい。
買い換えのねらい
800gなら
- 「常に携帯することで、これ1台ですべてやる」
- 「PomeraもBTキーボードも全部捨てる」
ことができると期待しました。
発注
仕様決定
メーカー直販モデルで仕様をかなり変えました。もともとこのマシンは「どこでもメールやOfficeしたい!」というコンセプトなのですが、私は「開発も動画編集もやりたい!」ということで、
CPU
i5からi7へ
メモリ
4GBから12GBに
ストレージ
128GBから512GBへ。全部盛りです。
スペックとしてはSurface Proに近いものになりました。
電池
ただし、電池は増やしませんでした。800g切りを維持したかったのです。
結果
パワーはあるが持久力がないマシンができあがりました。まあ、そうですよね。
時間
注文から届くまで10日かかりました。ちょっと遅い。
5/18開封。785g。
初期化
富士通さんには申し訳ないですが、まずOSをクリーンインストールし、次にドライバをすべて入れました(Cドライブ直下に「Fujitsu」というフォルダが作られ、そこに全てのドライバが入っています)。
使用感
良い点
とにかく軽い
タブレットのように持ち運びできます。気分転換に喫茶店まで持って行って作業するのも、まったく抵抗なし。家の中でも持ち歩くことができます。リビング→寝室など。オフィスでも自室から持ち出してリラックススペースで作業したり。電車の座席で広げてもぜんぜん重くないです。
オフィスと自宅のあいだを鞄に入れて持ち運んでいます。軽いです。なお、ACアダプターは以下のものを使っています。小さくて持ち運びに便利です。
(残念ながらAmazonではもう売られていません。60Wで給電できるのがポイントです。以下のものが60Wなので良いかもしれません。責任は取れませんが…)
- 出版社/メーカー: Shenzhen Shuangju Electronic Co., Ltd
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る
常に携帯しているので、本屋で本を買って帰りに喫茶店でPCを開いて読書メモを取りながら勉強できます。
いつでもどこでも開発できます。電車の中でUnity開いてC#を書くことができます。試したいことがすぐ試せる。これは大きい。電車の中で座っての開発が意外に捗ります。小さなゴールを決めて作業します。逆にオフィスでダラダラと開発するのが良くないのかもしれません。
この軽さは惚れます。
iPhoneを使わなくなった
画面が大きいので文字も大きく、ちょっと老眼傾向の自分にはありがたいです。軽くて持ち運べるので、SNSでメッセージを送るときもiPhoneでフリック入力するより、腰掛ける場所を見つけてWU2/B1でブラインドタッチで打った方が気持ちが良いです(しかし電車で座れないと使えないです。電車で立っている場合はiPhoneを使うことになります)。
iPadを使わなくなった
今までは「dマガジン」を見るためだけに嫁のiPadを借りていたのですが、WU2/B1だとディスプレイの表示方向を縦にして全画面表示すると「dマガジン」が快適に読めます。素晴らしい。
Kindleのマンガや本が普通に見開きで読めます。
気になった記事を後でまとめ読みするInstapaperも縦画面だと大変読みやすい。いや、本当に読みやすい。
dアニメストア、Netflixも見ることができます(Web)。
4Kディスプレイ
クラムシェルモードで4Kディスプレイ使用可能。
キーボード
19mmは快適です。ストロークも少し浅いけど問題ないレベル。_18_mmだと窮屈なんですよね。メールを書くなら19mm。
動画編集、開発
今まで使っていたMacBook Pro 2013よりは明らかに速いです。MacBook Pro 2017と比べると遅いのでしょうが…
悪い点
タッチパッド
Macと比べるとしょぼいです。スクロールに適度な慣性がつかないのがイマイチなんです。Macみたいに3本指横スワイプで仮想デスクトップを切り替えたりもしたいのですが、アプリを入れてもうまくいかない…深入りしたくないのでこれ以上は何もしていないです。あと、タッチでクリックするのは誤クリックするのでオフにしました。
4Kディスプレイ
4Kディスプレイ使用時、ときどき画面の一部がちらつきます。大丈夫?
ファン
開発しているとビルドなどの際にファンの音が大きくなります。MacBook Proの5倍くらい。とにかくうるさいです。本当にうるさいときはコワーキングスペースのような静かな環境だと周りの人たちが不審がります…まあ私は遠慮なく音出していますが。それに、最新のゲームでもしない限りファンが回りっぱなしになることはありません。しかしGoogleドライブでアップロードしているだけでファンが回るのには閉口しました。
MacBookがファンレスだったり、MacBook Proが静かなのは、結構すごいことなのだとわかりました。
電池
基本的に5時間しか持ちません。職場や家の中で持ち歩くには軽くて便利ですが、出張の際には電源アダプターが必要なので軽さが活きません。出張帰りにその日のうちに動画を編集してしまおうと作業したら途中で電池切れ、とかあるあるです。ちなみに負荷の高いゲーム(アサシンクリード3)をプレイしたら1時間半で電池が切れました。
あえてポジティブに見るなら、電池が切れるのを意識して作業をするので捗るし、電池が切れたら「パソコン作業やり過ぎですよ休みましょう」のサインなのだと前向きに考えることもできなくはないです(笑)
カメラ
性能が大変悪いです。Hangoutで使ったらボケボケで色も赤みがかっていました。ひどいです。
指紋認証
5回も6回もなぞらないとうまくいかないのにウンザリして指紋認証はあきらめました。iPhoneのTouch IDはすごかったんだな…
Cinebench R15(マルチコア)
買い替え前
MacBook Pro 2013 Core i5(4コア):320
https://www.notebookcheck.net/Apple-MacBook-Pro-Retina-13-Early-2015-Notebook-Review.139621.0.html
WU2/B1
http://digitalista51.com/pc/benchmark02
買い替え候補だったPC
MacBook Pro 2016 Core i5(4コア):670
http://smcomemory.com/macbook-6034
軽くはなりましたがパワーは少しだけアップ。MacBook Proはさすがですね。
終わりに
Life Changing
今もこの原稿をWU/B1で書いています。今までは、
だったのが、
職場
WU2/B1家
WU2/B1
となったので、大変快適になりました。19mmピッチのキーボードも良いですね。ストレスなくタイピングすることができます。
最近は自分のiPhoneを見る機会がめっきり減りました。歩きスマホするくらいなら、どこかでくつろいでWU2/B1で見たい、という感じです。友だちからのメッセージはすべて後でWU2/B1で返信します。フリック入力で長文を書くという選択肢はなくなりました。
たくさんあったガジェットもおかげでお役御免です(まだ捨てていませんが)。WU2/B1自体がガジェットの新しい時代を切り拓いているのかもしれません。
どんな方にオススメか
いろいろなものを犠牲にしている(特に電池。動画編集したり開発していると、あっという間になくなります。動作音、カメラもひどいです)PCですので、あまり広くオススメすることはできません。あえて挙げるとすれば、
- ライターさん、ブロガーさんのような取材帰りに長文を打つ機会が多い人や、
- 私のようにPCを2台持つのが嫌でキーボードの付いたガジェットをいくつももっているエッジな(変な)方、
- そしてこういう新しいジャンルのPCに適応できるパイオニアな方に
オススメ、ということろでしょうか。少なくとも私にはバッテリー以外はピッタシです。
リンク
PC Watch
レビュー記事です。
開発陣リポート
富士通の開発チームのインタビューです。
http://ascii.jp/elem/000/001/441/1441759/ascii.jp
他の方のレビュー記事
メーカー直販モデルのススメ。ポイントを上手にまとめておられて、参考になります。
ちょっと持ち上げすぎでは?「ファン音は気にならない」とか…
こちらは電池のもちを実際に測るなど、実証的なレビューです。