Feel Physics Backyard

HoloLensの出張授業をする会社で、教材を開発しています

Chromebook買って1日目の所感

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acerjapan.com

まず買う前に驚いたのが、内蔵メモリが少ないことでした。私が買ったモデルは32GBでMicroSDを指す場所もありません。このモデルは4万円で、7,8万円のモデルだともっとまともなストレージ+MicroSDカードスロットが付いているのですが、お試しだったのと「なぜ32GB?」というのが気になったので、あえてこのモデルにしてみました。もっと安い3万円くらいのモデルもあったのですが、2in1というのを試してみたかったので、このモデルにしてみました。

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外観

Chromebook」という話題とは少し離れますが、ざっと外観を。サイズはいわゆるA4ノートパソコンとほぼ同じです。キーピッチは19 mmかな?かなり打ちやすいです。ただし右端のEnterキーとBackspaceキーが小さくなっています。頻繁に使うキーなので現時点では若干ストレスですが、これは慣れるかな、と思います。タッチパッドはサラサラしていて指が滑ってしまいます。チープですね。これは要マウス。ディスプレイのベゼルが2cmくらいあるのも、ちょっとチープな感じがします。重さは1.05 kg。軽い感じがしますが最近のノートPCはだいたいこれくらいかもしれません。バッテリー持続時間は公称で最大15時間とありますが、これはまだちょっとわかりません。外観おしまい。

ストレージが32GBしかない

少しChromebookの本質が見えてきた気がします。Linux版Signalを入れようとして入らないことで判明したのですが、ARMアーキテクチャーですね。本体ストレージは32GBしかありません。つまり、ハードウェア的には一般的なスマホと変わりません。CPUがそんなに良くなかったらミドルレンジのスマホ程度かもしれません。「安くて電池が長持ちで起動も速い」というウリの背景はこの辺ですね。いちおうChromebook対応したAndroidのアプリが使える(今もFacebookメッセンジャーを使っています)のですが、ストレージが全然ないので、ローカルにファイルを保存しない「Googleドキュメント+Googleドライブ」を使うのが自然な流れになります。Dropbox上のWordファイルをWordアプリで開くことも可能ですが、若干マニアックな使い方という気がします。

ChromebookなのにAndroidアプリ

Androidアプリを後から使えるようにしたのは、Chromeブラウザだけでできることがそこまで増えなかったからでしょうね。例えばSignalのPWAアプリのようなものが色々あればChromeブラウザだけでも事足りたのでしょうが、PWAはそこまで育たなかった。Googleマップ規模のWebアプリを開発できる会社はあまり見当たらないし、GoogleドキュメントはMicrosoftオフィスに使いやすさでもパフォーマンスでも追いつきそうにない。GmailGoogleマップGoogleカレンダーGoogleドキュメント、Googleフォト、YouTubeを今まで出してきたWebアプリ業界では最強のGoogleとしては、あくまでブラウザという戦場の上で戦いたかったのだと思います。しかしどこかの時点でそれは諦めて、しぶしぶAndroidアプリを使えるようにしたのではないかと思います。Web部門がAndroid部門に頭を下げたかたちでしょうかね。

しかしAndroidアプリを使うにはストレージが必要になります。Chromebookが最初に掲げていた目標はストレージのない新世界だったのではないかと思うのですが、それは諦め、Chromebookとは「AndroidアプリとChromeブラウザが使えるPC」というふうに位置付けを変えたのでしょうね。

使ってみた感じ

CPUはSnapdragon845と同水準。3年前のモデルですね。iPhone Xと比較されて、それよりも遅いようです。さすがに私の3万円スマホよりは速いようですが。

ちなみにMSオフィスはバッチリ動きます。ショートカットも私が使った範囲ではすべて再現しています(例えばWordで「Ctr + Alt + 3」で「見出し3」スタイルを適用)。これはGoogleとしては忸怩たるものがあるのではないかと思います。

普通の方に勧めるには、あと2年くらいかかりそう

ではこれからPCを買う人にChromebookを勧めるかというと、もう少し待ったほうが良いかなと思います。ATOKが出ていないからです。Androidアプリ(MSオフィス以外)も、ショートカットキーが整備されていないなど、デスクトップアプリとしては未成熟な印象を受けます。

ChromebookiPadを比べると

Chromebookがある程度成熟したとして、対抗馬になるのはiPadでしょうね。今ちょうど(ようやく)文科省が学校現場にPCをもっと入れようとしていて、iPadWindows機・Chromebookが同程度の勝負をしているそうです(詳しくはわかりませんが)。で、iPadと勝負になると、やはりChromebookはこれまでのノートPCの歴史で培われたキーボード+トラックパッドを使っているので、その点はChromebookの方が優位である気がします。その一方でiPadには洗練された大量のiPad用アプリとAppleペンシルがありますよね。FaceIDもできる。でもそれらもやるとちょっとお値段が高くなる。結局のところ、ChromebookはWordやExcelGoogleドキュメントを使用するコストパフォーマンスの良いビジネス汎用機(薄利多売)、iPadはクリエイターや富裕層のための、より洗練された未来的で趣味的なデバイス(利益率高め)に落ち着くのではないかなあという気がします。もともとGoogleはハードウェア開発をしてこなかったので、Chromebookの理想であるディスクレス・ミニマムハードウェアを達成できなかった時点で、iPadに軍配が上がったのかなという気がします。