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次世代ARグラス用レンズから読み解く、これからのXRレンズの価格変化

次世代ARグラス用ディスプレイを開発するCellid株式会社のプレスリリースから、これからのXRレンズの動向(2024–2030)を読み解きました。

prtimes.jp

注意:以下はChatGPT o1で生成したテキストであり、正確ではないことがあります。

1. そもそも何が課題?

  • 世界人口の半数超がメガネユーザー。ARグラスは「裸眼」を前提に設計されてきたが、実際は度付き対応が必須
    → 処方レンズを重ねると厚く・重く・像が歪む
  • ウェイブガイド光学は前面がほぼ完全平面でないと像がにじむ
    → 従来の曲面レンズでは光学的に両立しない

2. Cellidの「SCL(Small‑base Curved Lens)技術」

ポイント 内容
前面 ほぼ平面でウェイブガイドを貼り合わせ
背面 自由曲面で近視・遠視・乱視を一括補正
製造 高屈折樹脂をCNCフリーフォーム切削 → 真空ラミネーション
効果 縁厚3 mm級・重量20 g台で度付き+AR光学を1枚化

詳細は ASCII記事プレスリリース を参照

3. なぜ大手レンズメーカーはすぐ真似できない?

  1. 光学設計レベルが桁違い
    サブµm級の回折格子設計+波動光学シミュレーション
  2. 製造設備が半導体寄り
    ナノインプリント、クラス100クリーンルーム、干渉計検査
  3. 材料と接着
    高屈折ガラス/樹脂+屈折率マッチング接着剤(厚み±1 µm)
  4. 投資回収リスク
    XR市場はまだ小さく、量産立ち上げに数百億円規模
  5. 特許網が厚い
    SCLやMeta MaterialsのARfusion®などで周辺を囲まれている

4. レンズ価格はこう下がる

VRパンケーキ/枚 ARガラスWG/眼 AR樹脂WG/眼 高屈折SiC等/眼
2024 25 USD 150–200 USD 125 USD
2026 16–18 90–110 70–90 100–120
2030 10±2 60±10 40–60 ≈80

ドライバー:歩留まり改善・材料置換・量産規模拡大
逆風:関税10 %上乗せ・SiC供給制約・需要下振れ

5. 何が起きるか?

  • VRパンケーキレンズが片眼10ドル台へ。スマホOEM参入で価格競争が加速
  • AR
    • ガラス導波路は60ドル前後まで低下
    • Cellid型プラスチック導波路は40ドル台を狙う
    • SCLなど処方レンズ一体化が進み、「度付きAR」でもメガネ並みコストへ
  • プレミアム領域:軍用・医療用の高FOVモデルは80ドル超で高止まり

6. まとめ

  • 2028年には「度付き+AR」でも部材原価100ドル以下が視野
  • 普及の鍵は樹脂導波路と一体型レンズの歩留まり
  • 関税・地政学で±20 %変動の余地あり
  • 2026–27年の量産立ち上げが順調なら、完成品XRグラスは“高機能メガネ”並みの価格帯に到達しうる

個人的には光学微細加工技術の限界を感じていたので、とても嬉しいニュースのような気がします。楽しみですね!


参考リンク